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最大印刷高のキャリブレーション

マニュアルの手順に従って、デルタ型3Dプリンタのキャリブレーションを行ないます。
キャリブレーションには、「Printrun」(Pronterface)を使うようです。

まず、最大印刷高のキャリブレーションを行ないます。

【手順1】ホームポジションのZ座標(現在値)を確認
現在のホームポジションを確認します。

[1] Pronterfaceを起動。
[2] コード「G28」を送って、印刷ヘッドをホームポジションに移動。
[3] コード「M114」を送って、座標を表示。

これは、前回、Pronterfaceを使ったとき、すでに行ないました。
座標は[00 270]であることを確認しているので、省略します。

【手順2】最大印刷高の暫定的な変更
ホームポジションの座標値を一時的に、270+20の[0 0 290]に変更します。

[1] Pronterfaceを終了し、Arduino IDEを起動。
[2] 「Configuration.h」の「#define MANUAL_Z_HOME_POS」の定義を「270」から「290」に変更して、ファームウエアを更新。
「MANUAL_Z_HOME_POS」を「290」に変更
「MANUAL_Z_HOME_POS」を「290」に変更
[3] Arduino IDEを終了し、Pronterfaceを起動。
[4] コード「G28」を送って、印刷ヘッドをホームポジションに移動。

【手順3】ノズルを印刷ベッドの近くまで移動
手間を省くため、ノズルを印刷ベッドの近くまで一気に移動します。

[1] 一応、コード「M114」を送って、暫定ホームポジションの座標を確認。
[2] コード「G1 Z20」を送って、[0 0 20]まで移動。
コード「G1 Z20」を送って、[0 0 20]まで移動
コード「G1 Z20」を送って、[0 0 20]まで移動
このマニュアルの手順だと、仮に実際の最大印刷高が270mmよりも低かった場合、ガラス板の印刷ベッドにノズルが衝突する危険があります。一気に「20」まで移動するのは危険すぎる気がしましたが、メジャーで大雑把に測ってみると、270mm以上はあったので、そのまま実行しました。

【手順4】印刷ベッドの上にA4用紙を敷く
ノズルと印刷ベッドの間隔を測るために、印刷ベッドの上にA4用紙を敷いておきます。
マニュアルには紙の種類や厚さは指定されていません。ここでは、手元にあった普通のコピー用紙を使いました。

【手順5】1mm単位でノズルを下げていく
PronterfaceのGUIを使って、ノズルと印刷ベッドの距離が1mm未満になるまで、1mm単位で下げていきます。
「1mm未満」というのは厳密である必要はないので、敷いた紙に十分近づいた段階で次の手順に移りました。

【手順6】0.1mm単位でノズルを下げていく
PronterfaceのGUIを使って、ノズルを0.1mm下げて、印刷ベッドに敷いてあるA4用紙を動かし、用紙がノズルと印刷ベッドにちょうど挟まれた感じがするまで、この操作を繰り返します。

この手順はマニュアルの文章を読んだだけではよく分かりませんでした。
実際には、紙が挟まれている感じはしないけれども、それよりも0.1mm下げるとノズルが印刷ベッドに衝突する、という微妙な状態になってしまい、結局、衝突しない直前の位置を採用しました。
この状態からさらに0.01mm単位で調整すべきだったのかもしれません。(GUIではできないようですが)

【手順7】Z座標値を確認
コード「M114」を送って、現在の印刷ヘッドの座標値を調べます。
コード「M114」を送って、現在の印刷ヘッドの座標値を調べる
コード「M114」を送って、現在の印刷ヘッドの座標値を調べる
ここでは、[0 0 9.30]でした。
このときのノズルの位置が、座標[0 0 0]になるように、最大印刷高を調整します。

【手順8】新しい最大印刷高の計算
新しい最大印刷高を、次の式で計算します。
(新しい「MANUAL_Z_HOME_POS」値)=(古い「MANUAL_Z_HOME_POS」値)−(現在のZ座標値)

ここでは、MANUAL_Z_HOME_POS = 290 - 9.30 = 280.7です。

【手順9】ファームウエアの修正
「Configuration.h」ファイルの「MANUAL_Z_HOME_POS」を新しい最大印刷高に修正し、3Dプリンタのファームウエアを更新します。

[1] Pronterfaceを終了し、Arduino IDEを起動。
[2] 「Configuration.h」の「#define MANUAL_Z_HOME_POS」の定義を「290」から「280.7」に変更して、ファームウエアを更新。 
「MANUAL_Z_HOME_POS」を「280.7」に変更
「MANUAL_Z_HOME_POS」を「280.7」に変更
[3] Arduino IDEを終了し、Pronterfaceを起動。
[4] コード「G28」を送って、印刷ヘッドをホームポジションに移動。
[5] コード「M114」を送って、新しいホームポジションの座標を確認。
新しいホームポジションの座標を確認
新しいホームポジションの座標を確認
最大印刷高のキャリブレーション作業が完了しました。

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