立方体の出力
組み立てたデルタ型3Dプリンタキットを使って、はじめてモデルを出力します。
結論から言うと、合計4回出力し、3回目でほぼ上手く出力できました。

出力した立方体
左から、4回目、3回目、2回目、1回目 2月4日にAliExpressでデルタ型3Dプリンタキットを注文してから数えると、1月と10日かかりましたが、ようやく3Dプリンタが可動。めでたい。上手くいった瞬間はちょっと感動しました。
出力……準備
印刷ベッドにマスキングテープを貼ります。これはキットのオマケです。

印刷ベッドにマスキングテープを貼る マスキングテープを貼ると、最初のレイヤーが印刷ベッドに定着しやすくなるようです。
ネットを調べると、他にも「トンボ鉛筆 スティックのり シワなしピット」がいいとか、マスキングテープも「3M 343」がいいとか、専用マットとか、いろいろあるようです。今後試してみたいところですね。
マスキングテープは、印刷ベッドのガラス板に貼っても、あまり強くは張り付かず、端が少し捲れてしまいます。比較したことがないのでこのマスキングテープ特有の現象なのかどうか不明ですが、十分広い範囲に貼らないと、出力時にノズルが引っかかりそうです。
エクストルーダのフィラメント押さえネジを緩めて、フィラメントをホットエンドの奥まで手動で送り出します。その後、フィラメント押さえネジを締めておきます。使ったフィラメントはキットのオマケ。
このときはこれでいいと思ったのですが、考えが甘かったことがすぐに分かりました。
出力……1回目
準備ができたので、正真正銘、最初の出力に挑戦します。
[1] Repetier-Hostを起動して、
アイコンをクリックし、3Dプリンタと接続。
[2] 左から2番目の
アイコンをクリックして、保存しておいたgcodeファイルを読み込み。
[3] 左から3番目の
アイコンをクリックして、出力を開始。

印刷中 印刷ヘッドがホームポジションに移動した後、印刷ベッドまで降下し、印刷ベッドの自動レベリング動作がはじまりました。

印刷ベッドの自動レベリング中 自動レベリングは、印刷ベッド上の3×3=9カ所の高さを、印刷ヘッドのリミットスイッチを使って測定しているようです。
その後、ホットエンドのヒーターの加熱が終わると、実際の出力が始まるのですが……、印刷ベッドは動いているものの、何も出力されません。
慌ててエクストルーダを見ると、ステッピングモータ軸のプーリーは回転しているのに、フィラメントを押さえているベアリングが回転していません。その場で強くネジを締めると、ノズル先端からフィラメントが出てきましたが、最初のレイヤーの印刷はとっくの昔に終わっており、空中でフィラメントの糸が絡まり合うだけの状態。
出力に失敗したことは明らかなので、Repetier-Hostの実行を停止しました。
出力……2回目
完全な失敗はちょっとショックでしたが、まだ1回目です。
気を取り直して、再度、出力開始。
こんどは、上手くいったように見えました。印刷ベッド上にフィラメントで正方形が描かれていきます。
が、レイヤーが積み重なると、すぐに問題に気がつきました。造形が崩れているのです。
3Dプリンタの状態をよく見ると、1回目と同様、エクストルーダの動作があやしい。
ベアリングの回転とプーリーの回転が同期しておらず、ベアリングの回転はときどき停止することもあるようです。
その場で、再度、フィラメント押さえネジを強く締めると、事態はさらに悪化し、ノズルからフィラメントが間欠的にしか出てこなくなりました。
1回目同様、失敗したのは明らかですが、今回は3Dプリンタの動作を最後まで確認することにします。
印刷が終わると、印刷ヘッドが待機位置に移動していきます。
印刷ベッド上には、立方体の成り損ないのような物体が残りました。

2回目の出力に失敗 ここで、さらに問題が発生。印刷ヘッドがありえない場所に移動して、ガリガリガリガリ……と、3Dプリンタが壊れそうな異音が。
設定の修正
何が起こったか分からず、これが普通の動作なのだろうか、などとも思いましたが、一応チェックします。
Repetier-Hostの「Printer settings」ダイアログを表示して、「Behaviour」タブの「Dump area position:」を見ると、「X=135」「Y=0」「Z-Min=0」になっています。このデルタ型3Dプリンタの印刷可能範囲は直径200mmの円形です。原点は中心なので、「X=135」は印刷可能範囲外であり、明らかにおかしい。「X=」を「0」に修正し、ついでに「Disable motors after job/job kill」にもチェックを入れておきます。

「Behaviour」タブの「Dump area position:」を修正 これで出力後は、事実上、ホームポジションまで戻るはずです。
3Dプリンタから聞こえた、ガリガリガリガリ……、という音は、ステッピングモータが脱調したか、ベルトがステッピングモータのプーリーから外れた音だったようです。壊れなくてよかった……。(本当に壊れていないかどうかは不明ですが)
エクストルーダの修正
出力に2回とも失敗した原因はエクストルーダなので、チェックします。
強く締めてフィラメントが送られなくなったので、強すぎたのかと思いましたが、事態はもっと単純で、バネを受ける厚紙をバネが突き抜けていました。これでは押さえが利かなくなるはずです。もともと応急的な措置でしたが、ダメでした。

バネが厚紙を突き抜けた フィラメントはかなり強く押さえつけなければいけないことが分かったので、バネの使用を止め、ここは素直にマニュアルの指示通り、M4 Gasketをナットで締めます。

マニュアルの指示通り、M4 Gasketをナットで締める これで大きな問題は修正したはず……。
出力……3回目
3度目の出力開始。こんどはかなりイイ感じに進んでいきます。

3度目の出力中 結果、かなりまともな立方体が出力されました。
立方体は、印刷ベッドに貼ったマスキングテープに、力を入れなければ取れない程度の強さでついています。マスキングテープは機能しているようです。

3度目の出力結果 かなりイイ感じです。手作業で最終処理する予定なので、このくらいの精度で出力されるなら十分に思えます。もちろん、プラモデルとは程遠いですし、角に微小な歪みがありますが、面はきちんと平らに出ています。3回目の出力としては満足です。
単純な立方体なので、まだ断言はできませんが、先行き明るくなりました。
気になるのは、作成した物体とノズルの間を細いフィラメントが糸を引いている点でしょうか。

物体とノズルの間を細いフィラメントが糸を引いている これは複雑な物体を出力する際にも問題になりそうです。
出力……4回目
続けて、4回目の出力を試みます。
3回目と同様の状態の立方体が出力されましたが、出力前のノズルに、3回目で余ったフィラメントが付着していたようで、最初のレイヤーの横にゴミがついてしまいました。
出力前のノズルチェックはもう少し念入りにしたほうがいいのでしょう。
結論から言うと、合計4回出力し、3回目でほぼ上手く出力できました。

左から、4回目、3回目、2回目、1回目
出力……準備
印刷ベッドにマスキングテープを貼ります。これはキットのオマケです。

ネットを調べると、他にも「トンボ鉛筆 スティックのり シワなしピット」がいいとか、マスキングテープも「3M 343」がいいとか、専用マットとか、いろいろあるようです。今後試してみたいところですね。
マスキングテープは、印刷ベッドのガラス板に貼っても、あまり強くは張り付かず、端が少し捲れてしまいます。比較したことがないのでこのマスキングテープ特有の現象なのかどうか不明ですが、十分広い範囲に貼らないと、出力時にノズルが引っかかりそうです。
エクストルーダのフィラメント押さえネジを緩めて、フィラメントをホットエンドの奥まで手動で送り出します。その後、フィラメント押さえネジを締めておきます。使ったフィラメントはキットのオマケ。
このときはこれでいいと思ったのですが、考えが甘かったことがすぐに分かりました。
出力……1回目
準備ができたので、正真正銘、最初の出力に挑戦します。
[1] Repetier-Hostを起動して、

[2] 左から2番目の

[3] 左から3番目の



その後、ホットエンドのヒーターの加熱が終わると、実際の出力が始まるのですが……、印刷ベッドは動いているものの、何も出力されません。
慌ててエクストルーダを見ると、ステッピングモータ軸のプーリーは回転しているのに、フィラメントを押さえているベアリングが回転していません。その場で強くネジを締めると、ノズル先端からフィラメントが出てきましたが、最初のレイヤーの印刷はとっくの昔に終わっており、空中でフィラメントの糸が絡まり合うだけの状態。
出力に失敗したことは明らかなので、Repetier-Hostの実行を停止しました。
出力……2回目
完全な失敗はちょっとショックでしたが、まだ1回目です。
気を取り直して、再度、出力開始。
こんどは、上手くいったように見えました。印刷ベッド上にフィラメントで正方形が描かれていきます。
が、レイヤーが積み重なると、すぐに問題に気がつきました。造形が崩れているのです。
3Dプリンタの状態をよく見ると、1回目と同様、エクストルーダの動作があやしい。
ベアリングの回転とプーリーの回転が同期しておらず、ベアリングの回転はときどき停止することもあるようです。
その場で、再度、フィラメント押さえネジを強く締めると、事態はさらに悪化し、ノズルからフィラメントが間欠的にしか出てこなくなりました。
1回目同様、失敗したのは明らかですが、今回は3Dプリンタの動作を最後まで確認することにします。
印刷が終わると、印刷ヘッドが待機位置に移動していきます。
印刷ベッド上には、立方体の成り損ないのような物体が残りました。

設定の修正
何が起こったか分からず、これが普通の動作なのだろうか、などとも思いましたが、一応チェックします。
Repetier-Hostの「Printer settings」ダイアログを表示して、「Behaviour」タブの「Dump area position:」を見ると、「X=135」「Y=0」「Z-Min=0」になっています。このデルタ型3Dプリンタの印刷可能範囲は直径200mmの円形です。原点は中心なので、「X=135」は印刷可能範囲外であり、明らかにおかしい。「X=」を「0」に修正し、ついでに「Disable motors after job/job kill」にもチェックを入れておきます。

3Dプリンタから聞こえた、ガリガリガリガリ……、という音は、ステッピングモータが脱調したか、ベルトがステッピングモータのプーリーから外れた音だったようです。壊れなくてよかった……。(本当に壊れていないかどうかは不明ですが)
エクストルーダの修正
出力に2回とも失敗した原因はエクストルーダなので、チェックします。
強く締めてフィラメントが送られなくなったので、強すぎたのかと思いましたが、事態はもっと単純で、バネを受ける厚紙をバネが突き抜けていました。これでは押さえが利かなくなるはずです。もともと応急的な措置でしたが、ダメでした。


出力……3回目
3度目の出力開始。こんどはかなりイイ感じに進んでいきます。

立方体は、印刷ベッドに貼ったマスキングテープに、力を入れなければ取れない程度の強さでついています。マスキングテープは機能しているようです。

単純な立方体なので、まだ断言はできませんが、先行き明るくなりました。
気になるのは、作成した物体とノズルの間を細いフィラメントが糸を引いている点でしょうか。

出力……4回目
続けて、4回目の出力を試みます。
3回目と同様の状態の立方体が出力されましたが、出力前のノズルに、3回目で余ったフィラメントが付着していたようで、最初のレイヤーの横にゴミがついてしまいました。
出力前のノズルチェックはもう少し念入りにしたほうがいいのでしょう。
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