fc2ブログ

二重関節を作る(5)

バイオメタルファイバー(BMF)の折り返しに、プーリーを使ってみます。また、BMFの長さも2倍にしてみます。
使ったプーリーはBMF付属の耐熱プーリーです。
耐熱プーリーを使った二重関節(上)
耐熱プーリーを使った二重関節 Type6(上)
直径8mmの耐熱プーリーと、2倍の長さのBMFを使ったので、サイズが一回り以上大きくなり、全長も1.5倍近くになりました。
仮に、この二重関節を使って人型ロボットを作ると、全高が300mmを大きく超えて400〜500mmクラスになりそう。そうなると、BMFを使うメリットがあるのかどうか疑問かもしれません。

BMFの折り返し部分にのみ耐熱プーリーを用いて、関節軸部分は2mmの真鍮パイプです。関節軸の直径が同じでBMFの長さが2倍なので、BMFの変位量が2%なら180度、1%なら90度、関節が曲がるはず。
出力したパーツ
出力したパーツ
3Dプリンタで出力したパーツは、ピンバイスで1.6mm、2.0mm、2.1mmの穴を開けて、棒ヤスリと紙ヤスリで形を整えます。
これまではBMFをCenterの中央に通していたのを、今回は片側に寄せています。これでCenterを分割せず、一体で出力できます。

耐熱プーリーの軸穴は、図面上は直径3mmあるようです。そこで試しに、3Dプリンタで2.9mmの軸を出力してみました。
PLAで造形した軸(2.9mm)を耐熱プーリーの軸穴(3mm)に通す
3Dプリンタで造形した軸(2.9mm)を耐熱プーリーの軸穴(3mm)に通す
3Dプリンタで出力した2.9mmの軸は、耐熱プーリーの3mmの軸穴にギリギリ入ります。各レイヤー単位で見ると、けっこう精度よく出力されているようです。
しかし、軸の表面に微妙な段差やズレがあり、そのままではプーリーがスムーズに回転しません。ヤスリで削って回りやすくしましたが、やはり何か引っ掛かる感じが残りました。

耐熱プーリーの3mmの軸穴には、直径3mmの真鍮パイプが入り、スムーズに回ります。手間と完成度を考えると、今後は耐熱プーリーの軸には素直に真鍮パイプを使うべきでしょう。

設計との微妙な違いや、関節軸(真鍮パイプ)の垂直からの微妙なズレなどを修正するため、Centerをヤスリで削ったり、穴を斜めに広げたりして、関節がスムーズに動くよう修正。
部品の誤差に合わせた修正作業
部品の誤差に合わせた修正作業
が、今回は修正にちょっと失敗。関節部分の設計はType 5と事実上同じですが、修正のし過ぎで、関節にガタが出てしまいました。BMFを通す部分をCenterの片側に寄せたのはいいのですが、その部分がギアの歯と微妙に干渉して引っ掛かるようです。BMFを通す側は、ギアの構造を工夫するか、省略するべきでした。

2カ所にあるバネの取り付け部分うち、1カ所が塞がった状態で出力されたため、バネはつけないことにしました。やはり0.5mmの間隔は不確実です。

この辺、もう少し精度よく出力できればいいなと思いますが、2万円前後のデルタ型3Dプリンタキットとしては十分かな。

電源を接続して、動作チェック。
二重関節 Type6の動作チェック
二重関節 Type6の動作チェック
関節は90度弱動きました。関節軸の太さが同じで、2倍の長さのBMFを使ったので予想通りですが、相変わらず1%の変位というのが謎でした。

が、動作をよく見ていると、関節を曲げるタイミングで、なんとLeftパーツも変形して曲がっています。変形してはいけないLeftパーツがBMFの力で変形していたのです。もしかするとType5でも同じ現象が起こっていたのかもしれませんが、長さが2倍になって初めて気が付きました。

Leftのパーツは、幅2mm、高さ3mmの角柱2本を中心に構成されていますが、BMFの力を受け止めきれなかったようです。
それと同時に、関節軸として直径2mmの真鍮パイプを使った二重関節を曲げるのに、想定以上の力がかかっていることも分かりました。

ということは、Leftパーツの強度を上げれば、180度動作するかもしれません。
その前に、次は関節軸部分に耐熱プーリーを使った二重関節を作って試してみることにします。

コメント

非公開コメント