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二重関節を作る(6)

これまでに作った二重関節の経験から、関節の両側にバイオメタルファイバー(BMF)を渡してサイズを極力小さくする構造には、現実問題として難しい部分がありそうです。
そこで、サイズをある程度妥協して、もう少しシンプルで確実な構造の二重関節を作ってみます。
新構造の二重関節 Type7(下)
新構造の二重関節 Type7(下、90度曲げた状態)
結果として、サイズがさらに1センチ拡大。どんどん大きくなるなぁ。
でもこれはBMFに付属してきた耐熱プーリーが3個しかなかったからで、4個使えば、Type 6と同程度以下に小型化できるはず。
二重関節 Type7の構造
二重関節 Type7の構造(left topを省略)
構造が簡単で、サイズに余裕をもたせたので、特に難しい点もなく完成。

これまでの設計では、Left側から出たBMFを、関節軸で折り返しながらCenter内を通過させて、Right側に固定していたのを、新構造では、Left側から出たBMFを、CenterのLeft寄りに固定。関節軸やRight側にはBMF関連の構造は何もありません。

結果として、構造が非常にシンプルになりましたが、 CenterにBMFを固定するための構造を設ける必要があることと、必要なBMFの変位量が少し増えること、BMFの折り返しに直径8mmの耐熱プーリーを使うこと、などから、全体のサイズが大きくなっています。バネの取り付け機構は省略。
二重関節 Type7のパーツ
二重関節 Type7のパーツ
サイズが大きくなったので、3Dプリンタでの出力にも無理な部分はなし。
ただし、Centerの直径1.6mmと2mmの穴が完全にふさがった状態で出力されました。少し潰れるのはいつものことですが、2mmの穴が完全に潰れたのは初めて。すべての穴は最終的にピンバイスで開けるので実害はありませんが、この辺の不安定さは3Dプリンタの難しい点かも。

BMFを折り返す耐熱プーリーの軸には直径3mmの真鍮パイプを使います。
直径2mmの真鍮パイプは金鋸で切断していましたが、直径3mmの真鍮パイプの切断には、ミニパイプカッターを使ってみました。
直径3mmの真鍮パイプをミニパイプカッターで切断
直径3mmの真鍮パイプをミニパイプカッターで切断
これはいいですね。簡単で確実。何より切断面が綺麗なのがいい。3mm以上用なのが残念です。
関節軸も直径3mmの真鍮パイプにしようかな……。しかしそうすると、Centerがさらに1mm大きくなるので、悩むところです。

真鍮パイプを軸にしたので耐熱プーリーはとてもスムーズに回ります。やはり、安いデルタ型3Dプリンタで回転軸を作るのは、荷が重いようです。
CenterにBMFを固定
CenterにBMFを固定
BMFの固定には、直径4mm弱のメガネ端子とM2×3mmのネジを使います。Centerにこの構造を作るので、どうしてもサイズが大きくなりますが、実際に作ってみると、この程度なら許容範囲かな。

BMFの取り付けには今回も苦戦しました。とにかく見えない。目の焦点が合わない。ピンセットが宙を切る。
最大の問題は、3Dプリンタの工作精度ではなく、私の手作業の工作精度ですね。

今回は、作業中にBMFが耐熱プーリーから外れたことに気づかずに作業を進めた結果、BMFの長さが足りなくなりました。
1mぶんのBMFを使い切ってしまい、やり直せないので、関節が90度程度までしか曲がらない状態で動作チェックをします。
二重関節 Type7の動作チェック
二重関節 Type7の動作チェック
今まで作った二重関節の中でいちばん良好です。非常にスムーズに90度曲がります。90度の関節としてであれば、まったく問題ありません。180度のテストができないのが残念です。

懸念材料はサイズなので、耐熱プーリーの数を4個に増やして小型化し、構造をもう少し洗練させてみます。
その前に、追加のBMFと耐熱プーリーを購入しなけばならない……。実作業はしばらく先になりそう。

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